ネイティブアドとは何か?今さら聞けないネイティブ広告の基礎

word on billboard
昨年から日本でも注目を集め始めた「ネイティブアド」。メディアにとっても広告主にとって何でも解決する魔法の杖であるかのような期待感が先行していたフェーズは終わり、いよいよどうやって本格的に活用していくか?が問われるフェーズに入ってきた。

広告表記の問題や、結局これまでの手法と何が違うのか?といった、ネガティブ論も顕在化してきている中、改めて「ネイティブアドとは何か?」を考え、整理してみたい。

 

そもそも、ネイティブアドとは何か?

まず、JIAAのネイティブ広告の定義を見よう。

デザイン、内容、フォーマットが、媒体社が編集する記事・コンテンツの形式や提供するサービスの機能と同様でそれらと一体化しており、ユーザーの情報利用体験を妨げない広告を指す。

出所:2015年3月発表 JIAA「ネイティブ広告に関するガイドライン」より

http://www.jiaa.org/release/release_nativead_150318.html

ちょっと乱暴かもしれないが、大まかに捉えると「広告をコンテンツ化すること」と定義できる。

ここで述べている「コンテンツ」は文字・音・映像などの著作物的な意味合いではなく、ユーザーにとって役立つ・面白い・自分ごと化できる「見たいモノ」と捉えて頂きたい。逆に、「非コンテンツ」はユーザーにとってつまらない・関係ない・不快な「余計なモノ」と捉えることができる。

広告のコンテンツ化

つまり、「ネイティブである」とは、ユーザーにとって余計なモノがない、今見ているメディアやコンテンツに馴染んだ自然な状態である、と言うことができそうだ。

 

 ネイティブアドの要件

周囲のコンテンツに馴染むためには、大きく3つの要素が必要になる。

  1. フォーマット(見た目)
  2. メッセージ(機能・文脈)
  3. 導線(リンク時の体験)

広義に捉えると、ソーシャルメディアのタイムライン上に出てくるインフィード広告に代表される「見た目のみ」ネイティブな手法も存在するが、周囲のコンテンツが提供する機能や文脈と整合性が取れている方が望ましいし、リンク先での体験も周りのコンテンツと同様であることが望まれる。(下図の②と③)

ネイティブアドの要件_3

 

 

ネイティブアドの機能

様々な切り口があると思うが、機能の側面で捉えるならば、以下の2つに分けるのが良い。

  • メッセージを伝える機能
  • 誘導を強化する機能

便宜上、前者を「コンテンツ型」、後者を「誘導型」と呼ぶことにする。

ネイティブアドの機能

 

コンテンツ型ネイティブアドは、情報コンテンツを通じてユーザーにブランドメッセージを「理解」して貰い、(理解の結果として)「興味」を喚起させる機能だ。記事広告などをイメージして貰うのがよいだろう。他方、誘導型ネイティブアドは、そこにいるユーザーに「見て」貰い、その先にあるコンテンツを見たいと思って「次に進んで貰う」ための機能だ。

マス・マーケティングの時代では、ユーザーは流れてきた情報を受動的に受け取るしかなかった。この時は、ユーザーに広告を見て貰うために「とにかく目立たせる」という手法が効きやすかった。(モノで満たされていないことも相まって)

しかし、Webやスマホの普及に伴い、日々大量の情報を浴びるユーザーは、自身の関心ある情報すら取得がままならない状態となった。こうなると、目立たせる(周囲のコンテンツから浮き立つ)ことで、逆に「自分に関係ないもの」であることを際立たせてしまい、見て貰うことすら難しくなった。無意識のうちに広告を視界からシャットアウトしてしまうのだ。これが、バナー・ブラインドネスと呼ばれる現象だ。

よく、AISAS、AIDMAなど、Attention(注意・注目)をファネルの起点に考えるが、そもそもAttentionをとること自体が非常に難しいマーケティング環境に変わった。そこに「いる」ユーザーに、まず「見て」貰う手段としてネイティブアドへ期待が寄せられている。

少し話は逸れてしまった。

では、「コンテンツ型」と「誘導型」は、米国iabのネイティブアド・プレイブックで規定される6つのタイプがどう当てはまるのか、見て行きたい。

 

6つのネイティブアドの機能整理

※iabが規定するネイティブアドの6タイプは以下をご参照頂きたい。

 出所:iab「THE NATIVE ADVERTISING PLAYBOOK」より

http://www.iab.net/nativeadvertising

コンテンツ型ネイティブアドは「ネイティブアドそのもので、メッセージを伝えることができる」タイプだ。ここに含まれるのはインフィード(その1、その3)、プロモートリスティングである。(プロモートリスティングは誘導のみとも捉えるよりも、リンク先の商品紹介とセットでコンテンツとして成立すると考えた方が自然だ)

コンテンツ型ネイティブアド_2

 

他方、誘導型ネイティブアドは、外部のコンテンツや商品ページへ「ネイティブに」誘導するタイプで、ここに含まれるのはレコメンドウィジェット、インフィード(その2)、ネイティブ要素を持つインアド、ペイドサーチなどだ。誘導型ネイティブアド

※カスタム型は含まず

 

効果指標

最後に、ネイティブアドの6タイプと、効果指標との関係性について見て行きたい。

よく、「コンバージョンに代表されるダイレクトレスポンス指標は、ネイティブアドではない」という誤解があるが、iabでも「クリック率やコンバージョンを主な指標とする」タイプも紹介されていることに注意したい。

ネイティブアドの効果指標

 

コンテンツ型だからブランディング、誘導型だからダイレクトレスポンスではなく、重要なのは「リンク先がどんな機能を持つページか?」という点だ。

リンク先にあるコンテンツが編集記事なのか、商品ページなのか。前者の場合、主にブランディング指標が適用され、後者の場合はダイレクトレスポンス指標で測られることが多い。(ここから案に示されることは、商品ページも商品を詳しく知りたいユーザーにとっては、立派なコンテンツとなり得ることだ)

つまり、マーケティング目的を達成するために、

  • リンク先がどんなコンテンツか?(≒どんなコンテンツをどこに置くべきか?)が先に検討し、
  • そのリンク先にフィットする誘導方法は何か?(≒どこから、どのように誘導すべきか?)を決めていく

という手順で考えることが、広告をコンテンツ化する上でとても重要だ。

「ネイティブである」こと自体が目的ではなく、マーケティング目的を達成する手段として自然であることが重要なのだ、という点を念押ししておく。


ChishimaKota

ChishimaKota

2014年9月に株式会社グルーバーを設立し、「コンテンツを通じてマーケティング課題を解決するプロ集団」としてネイティブアド、メディア支援、メディアの3つの事業に取り組んでいる。 2007年に株式会社オプト入社。モバイル広告のセールス、プランニング、仕入れ、商品開発マネージャーを歴任。2013年には戦略系コンサルティングファームへ企業留学し、戦略やIT・データ基盤の立案に携わる。

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